10: The Calm Before the Storm

Barev Dzez! 

 

UWCアルメニア校での2年目が始まりました。戻ってきてからもう二週間。久しぶりにブログ更新します。

 

今回はInduction Weekの自慢。Induction Weekとは、新入生を迎え入れる最初の一週間のことです。一年生が少しでも早く馴染めるように、二年生が様々な工夫をして最初の一週間を企画します。校舎をよく知れるように宝探し、部屋のルームメートと仲良くなれるようにRoom bonding time、キャンパスの外でのDiijan inductionやYerevan induction、IBに向けてのsubject fair(科目選択)。一年生は寝ているわけにはいきません。

 

今年のInduction Week ハイライトは何と言ってもセバン湖でのキャンプ。Toon(寮)ごとに一泊二日でキャンプをしに行きました。アルメニア校はアウトドアがとても充実しているので、テント、寝袋などすべて学校が用意してくれています。生徒はバスに乗って一時間ほど学校から離れているセバン湖に向かうだけ。アルメニアは海がないので、貴重な湖です。

 

セバンに着くと、みんなすぐに泳ぎ始めます。日差しがさす中、冷たい水は非常に気持ちいい。思う存分水の中で遊んでいると、あっという間に日が沈みはじめ、肌寒くなります。

 

 

 

 

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夜ご飯のあとは、キャンプファイア。

炎を囲んでお互いの話を聞きながら、マシュマロを焼いて食べました。早朝、波の音で目覚め、日の出を眺めます。とても貴重な思い出になり、一年生とゆっくり話すことができました。

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二年生は、Induction Weekを企画しながらも、着実にIBの課題をこなさなければいけません。EE、IA、などと去年とは比べ物にもならないほどたくさんの課題があります。それに加えて大学受験。勉強をしなければいけないけど、新しい一年生とも話したい。今までに増して時間の管理をしっかりしないといけない時期になってきました。これから忙しくなりますが、また更新したいと思います。今回はInduction weekのキャンプの自慢でした!

 

Rachel

 

 

9: Enriching Creativity

Barev Dzez! 

 

来年の派遣生が決まりました!アルメニア校を不安なく志望してほしいという思いの元、情報を提供するために始めたブログなので、来年の選考期間まで続けるかどうか迷っていますが、もっといろんな人にアルメニア校のいいところを知ってほしいという思いも強いのでとりあえずは今回の自慢。

 

UWCDでは、visual arts(芸術)の科目を履修している生徒がたくさんいます。絵画、陶芸、写真、など個人によって作るものは全く異なりますが、どれも素晴らしく美しい作品ばかりです。展示会などがあるほか、教室や廊下にも生徒の作品が飾ってあり、身の回りに芸術が溢れています。この学校には、生徒たちが最大限にクリエイティビティーをを発揮できるような設備が完璧に整っています。絵の具、パレット、イーゼルなどはもちろん、photoshopなどの画像編集ソフトウェアが備わったiMacも美術を履修している生徒のためだけにあります。

 

そして、最大の自慢は陶芸用具と3Dプリンターのある別館美術室。陶芸をするための轆轤(ろくろ)、釉薬、陶芸用の素焼きや本焼きをする陶芸窯などが全てあります。これは美術を履修している生徒だけでなく、課外活動などで使うことができます。また、美術の先生の指導の元、3Dプリンターを使って様々なものを作ることができます。

 

最後に、今年度のIB課程の終盤に二年生の美術履修生の展示会が開かれました。完成度の高い芸術品が多く、まるで美術館に行ったような気分になりました。以上、アルメニア校のアート自慢でした!

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gallery 2018

 Rachel

8: CAS

Brev Dzez!

読者の方からリクエストがあったので、今回はUWC Dilijanでの課外活動について紹介します。

CAS(課外活動)はIB プログラムで必須とされていて、UWC生活の中でも大きな存在となります。CASとは、Creativity, Activity, and Serviceの略。三つのカテゴリーそれぞれをこなすことが義務付けられます。それぞれのカテゴリーには様々な課外活動があり、自分で新しい活動を始める生徒もたくさんいます。二年間ずっと同じ課外活動をする必要はないのですが、多くの場合は選んだ活動に長期間コミットします。

 

学校によってCASに含まれる活動が異なるようですが、アルメニア校では生徒が率いる比較的新しい活動が数多く、みんなで模索しながら活動を作りあげて行ってるイメージです。

 

私はCreativityで模擬国連、Serviceでは現地の子供たちに英語を教える活動、Activityではヨガをやっています。前学期はこれらの主要な活動に加えて手話を習い、今学期はプチロシア語を習っています。また、Women's marchを計画したり、UWC Dilijanで模擬国連の会議を開催するためのorganization teamに所属しています。課外活動で毎日忙しくなるので、本当に自分がやりたいことを選ぶことをお勧めします。具体的にいま存在する課外活動は以下の通りです。(新しいCASを始める生徒が多いので、あくまでも現在のものです):

Creativity

合唱、Creative writing, ダンス、Dilijan Arts festival, Humans of Dilijan, イタリア語、ロシア語、ジャズバンド、ジャーナリズム、ラテンダンス、メディアクラブ、模擬国、手話、サウンドデザイン、スピーチ&ディベート、TED x, 料理、イヤーブック作成

Activity

バドミントン、バスケ(女子チーム編成中!)、ジム、ランニング(毎日夕方五時に学校の周りを走ります)、水泳、バレーボール、ウィンタースポーツ(冬にスキー場に行きます)、ヨガ、ウォーターポロ(すごく人気です)

Service (ボランティア系、環境に関するものや現地の人に貢献する活動が多いです)

Arts in the community(現地の子供たちにArtを広める活動)、Basketball with Kids, Beginner's football, cafeteria assistance, ceramics with the community, プログラミング、Dilijan Dog Project(野良犬の保護活動)、DiliMed、Dilinglish (子供たちに英語を教えます)、German in the community, greenhouse, liBEARians(司書), ORRAN(孤児院でボランティア), Red cross, Rhi-zone(ecoの推奨活動), science with kids, student cafe(学校にある生徒運営カフェでバリスタ), swimming, tour guides(学校に来るゲストの方々にツアーをする), environmental education

 

以上、これらが現在ある課外活動です。具体的な質問があったら、気軽にコメントしてください。

では、また来週!

Rachel 

 

 

7: Mutual Respect

Barev Dzez!

 

冬休みの間はブログは休憩ということで、久しぶりの投稿になります。あっという間に、もう二学期になりました。この前会ったばかりのsecond yearがあと数ヶ月で卒業なんて、信じられません。そんな時間の経過についていけない私ですが、もうすぐfirst yearが決まると思うと、ブログを更新してもっとアルメニアのいいところを志望者のみんなに知って欲しい!という気持ちが更に強くなります。

 

ということで、今日はより具体的な自慢。部屋の構成について話したいと思います。前にも書いた通り、部屋は二人部屋か四人部屋。国や文化の違うfirst yearとsecond yearがroommateとして組み合わせられます。

 

プライバシーの問題もあり部屋の写真は載せられないので、軽く部屋のレイアウトを表して見ました。これが二人部屋です。二人部屋の場合は二つの部屋が隣同士にあり、間のトイレとシャワー(二つずつある)を四人で共有します。ベッドの配置は部屋によって違いますが、私の部屋の家具の配置はプライバシーが適度に守られていて、スペースも広く、気に入っています。また、運良くバルコニーがある部屋なので朝は部屋に日が差し込んできます。f:id:uwcdilijiman:20180203151650p:plain

各部屋にはベッド、本棚2つ、クローゼット、そして四段の引き出しがあります。二人部屋でも四人部屋でも家具は変わりませんが、四人部屋では、引き出しを分割してプライバシーを守る工夫をしている部屋が多いです。二人部屋は一つの部屋を二人で共有してゆったりと使うのに対して、四人部屋は本棚などで仕切り、一人ずつの小さい個人スペースを作っているようなイメージです。

f:id:uwcdilijiman:20180203151648p:plain四人部屋も二人部屋もそれぞれメリットとデメリットがありますが、快適な部屋を作るための一番大切なポイントは、日頃からしっかりとルームメートと話し、お互いのことを尊重しながら生活していくことだと思います。問題があったら一人で悩んで我慢するのではなく、話してみること。勇気を出してルームメートに話したら、案外大した問題ではなかった、なんてこともたくさん耳にします。快適に過ごしたいという気持ちは世界共通です。お互いを尊敬して良い関係を保てば、きっと快適な最高の生活ができるはずです。以上、部屋の雰囲気が少しでも伝わったことを願っています。二次試験頑張って下さい!

Always treat people the way you want to be treated.

Rachel 

6: Resonating kindness

Barev Dzez! 

今回は、「アルメニアのひとってどんなひとなの?」という質問に答えるべく、アルメニア人についてわたしが知るところを書きたいと思います。まだアルメニアに住んで4ヶ月ですが、アルメニアの現地の方々と交流する機会は多々ありました。中でも印象に残っているいくつかの経験を紹介させてください。

 

プロジェクトウィークでアルメニアにある小さな町Ijevanを訪れました。"Humans of New York" を真似した、現地の方々に話を聞くという企画でした。驚いたことに、会う人誰もがまず家に招いてくれて、その次にみんなに食事を振舞ってくれるのでした。12人の決して少なくない外国人のグループを、ためらいなく家に招き入れ、家にある食べ物すべてをテーブルに並べてくれる。遠慮をするのは許されず、パン、チーズ、ぶどう、自家製のはちみつ、と次から次へと美味しい食べ物を勧められました。しかし、家は決して裕福ではなく、家具もほとんどありません。風が吹きとおり、床はコンクリートのままのような家。冬には氷点下20度近くまで気温が下がるアルメニアの冬を想像し、生活に余裕があるわけではないのに初対面の人に自分たちが持っているすべてを喜んで提供するアルメニア人の心の広さに改めて感動しました。見返りや報酬を求めず、ただただ美味しい食べ物を差し出し、また来てね!と笑顔で見送ってくれた様々なアルメニアの人々の顔は忘れません。

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プロジェクトウィークで会ったアルメニアの子供達

もう一つ、わたしの経験を紹介させてください。今月の初め、エレバンからタクシーで学校まで帰ってきました。ところが、わたしの不注意で、iPhoneをタクシーの後部座席に落としたまま降りてしまいました。道で拾ったタクシーだったから、ドライバーに連絡する手段がない...。日本に一時帰国する数日前の出来事だったため、内心焦りましたが、とりあえずtoon parentや学校の受付の人に状況を伝えました。学校はすぐに新しいStudent ID(スマホのケースの中に入れてあった)を発行するなど迅速に対応をしてくれました。しかし、スマホに関してはもう諦めるしかない、そう思い始めていた頃、「ドライバーを見つけた」と学校の総務担当の方からメールが。あとから聞いたところ、ドライバーの人が車内でスマホを見つけ、UWC Dilijanまで運転したことを思い出し、ケースの中のIDに書いてあった学校の電話番号まで連絡してくれたそうです。すぐに電話し、数時間後には少し離れた街から車でスマホを持ってきてくれました。たったの二日間でスマホが手元に戻りました。それだけでなく、スマホの電源が切れたからどうしようかと思ったよ、とドライバーは充電したスマホを渡してくれました。となり町から運転した分の運賃は払されましたが、日本円にして2千円程度。スマホを持ち主に返そうとしてくれた努力には感謝しきれません。売られたり、届けるのが面倒だからそのまま放置されるかな、とドライバーを疑ったことに罪悪感を覚えました。学校の方々もドライバーに電話してくださったり、と一緒になって探してくれました。傘でさえも見つからないのに、東京の電車でスマホを無くしたら見つからないだろうな...。そう考えると、アルメニアは人口が少なく経済的にも社会的にもまだ発展途上ですが、だからこそ人と人との繋がりが強く、地域一体として誰でも受け入れる姿勢を持っていて、一段とアルメニアという国が好きになります。

 

P.S. 将来のfirst year、楽しみに待っています。一次試験お疲れ様でした、二次試験も頑張ってください!

Kindness is a gift everyone can afford to give.

Rachel

 

 

 

 

5: Cuisine Concerns

Barev Dzez!

今日は、Dilijan校の食べ物自慢をします。各UWC校の食べ物事情は場所によって、人によって異なり、私も来るまで食べ物に関してはとても不安でした。もしカフェテリアの食事がまずかったらどうしよう...そんな不安を胸にアルメニア校に着いて最初に食べた食事。想定していた以上に美味しく、不味いどころか好きな食べ物もたくさんあって安心しました。味については主観的なことしか言えませんが、一つ断言できるのは、もしカフェテリアの食べ物が嫌でも、なんとかなるということです。

1.好きなものがなくても、食べるものはある。

カフェテリアには毎食常に食べられるものと、毎食変わるものがあります。常備されているのは三種類のパンと水、紅茶、コーヒー、そしてフルーツ。個人的にパンが結構美味しいと思っています。白いごはんと生野菜(トマト、レタス、人参、きゅうり)やチーズも常にあります。

毎回変わるのは、パスタの種類、味ご飯、肉料理、その他 ポテトや野菜を使った料理などです。朝ごはんのときはシリアルやクロワッサンがあり、夜ご飯ではケーキが出ます。毎食自分の好きなものをとり、食べることができます。アルメニアの祝日やカルチャーイーブニング(のちに説明します)では特別な料理が振る舞われます。

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アルメニア独立記念日に生徒が伝統衣装でアルメニア料理を振る舞う様子

2.学校外で食料を買うこともできる。

もし自分で料理したり、カフェテリアが空いてない時間に食べたい場合は、学校の近くの店やエレバンで食料を買うことも十分に可能です。ディリジャンではフルーツ、パスタ、野菜などの基本的なものは購入できます。エレバンに行けば醤油やドレッシングなどといったものも買うことができます。

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エレバンの調味料の品揃え

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Vanadzor Street Market



電子レンジ、湯沸かしポットは寮の中の共有スペースにあり(私は紅茶やカップラーメンなどを簡単につくるために、湯沸かしポットをディリジャンで購入し、部屋に置いています)、各toon parentの部屋には生徒が自由に料理できるキッチンがあります。週末や誕生日などの特別な行事の際に、ブラウニーやピザを作りました。たまに友だちとパスタを茹でてお昼ごはんを簡単に済ませることもあります。写真は先月のサンクスギビングの日に、サンクスギビング・ディナーを行った際のものです。エレバンに行かなくても、ディリジャンで基本的な材料が揃いました。

 

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Thanksgiving Dinner

3.外食

私自身を含め、平日の夜や週末、学校の外で食事をする生徒はたくさんいます。学校の近くで人気のレストランはKchuch, Carahunge, Cafe #2, Coffee Brew lab, Miminoなど。ピザ、ハンバーガー、フライドポテト、サンドウィッチなどといった食べ物からアルメニアの料理まで、たくさんの選択肢があります。学校にデリバリーを頼むことも簡単にできます。

 

と、ここまで食べ物に関する様々な選択肢について書きましたが、個人的にはカフェテリアの食事に十分満足しています。食事については各UWC校で様々な評判がありますが、Dilijanに関しては、心配しなくていいと思います。私の周りでカフェテリアの食事が無理だ、というようなことはあまり聞きません。ただし、もし日本食が大好きな場合、サトウのご飯やインスタントの味噌汁やカップラーメンを持ってくることをおすすめします。残念ながら、アルメニアでは日本食を買うことは難しいと思います。また別の投稿で書くと思いますが、日本から二週間から一ヶ月で荷物を送ることが可能なので、カフェテリアの食事が合わなかったり日本食が恋しくなった場合は後から必要なものを送ることもできます。

食べ物自慢は以上です!次回もお楽しみに〜

Rachel 

 

 

4: Learning to be

Barev Dzez!

 

世界中で来年度のUWC派遣生の募集が始まり、UWC Dilijanには日本人生徒のための二枠があると聞いてとても楽しみにしています。このブログを読んでぜひアルメニア校を知り、進学を志望してほしいと思います。

 

今回はUWC Dilijanで履修できるIBの科目について紹介したいと思います。まず、IBにおける科目の大まかな仕組みから話します。IB diploma プログラムでは6つの科目群の中からそれぞれ1つずつ、もし芸術を選ばない場合はGroup 3/4からもう一つ選びます。

  • Group 1:Studies in Language and Literature (言語と文学)

English Language and Literature

English Literature 

English Language and Performance

  • Group 2: Language Acquisition (言語習得)

初級語学(ab initio)

Spanish ab initio

French ab initio

Russian ab initio

German ab initio

中級・上級語学

Spanish B, Spanish literature, German B, English B

Self Taught (日本語)

  • Group 3: Individuals and Societies (人文科学)

Economics(経済), Global Politics(グローバル政治), Philosophy(哲学), Geography(地理), History(歴史) 

  • Group 4: Experimental Sciences (自然科学)

Biology, Chemistry, Physics, ESS(環境システムと社会)

  • Group 5: Mathematics (数学)

Math (4段階のレベル分けあり)

  • Group 6: The Arts (芸術)

Music, Visual Arts (美術)

 

6つの科目を選んだ後、HL(Higher Level)とSL(Standard Level)の科目を3つずつ選びます。HLの科目は週6時間、SLは週4時間授業が行われます。

参考までに、文系の私が選んで満足している科目は以下の通りです:

HL: Economics, English Language and Literature, Math

SL: Biology, Philosophy, Spanish ab initio

 

科目選択は個人的な興味だけでなく、先生との相性なども非常に大切です。最初の数週間は色々な授業を体験することができますが、大まかに履修しておきたい科目は選んでおくことをおすすめします。UWC Dilijanはどの教科においても施設やresourcesが充実しています。ESSでは、学校の周りの自然を活用した授業などが行われます。また、歴史やグローバル政治の授業では、生徒の多様性のもと、非常に濃く、多角的な議論が行われるそうです。

今回はあまり自慢ではない内容になってしまいましたが、みなさんのお役に立てたことを願っています。

来週もお楽しみに!

The capacity to learn is a gift; the ability to learn is a skill; the willingness to learn is a choice.

Rachel